苦境に陥ったコピー機の「リコー」 ペーパーレス化の時代に山下良則新社長は成長戦略を示せるか|経済ニュース

コピー機で有名な事務機器大手のリコーが苦境に陥っている。

リコーの株価は2007年に2950円の高値をつけてから、リーマンショックを経て急激に下がった。その後、日経平均株価が回復していく中でも、リコーの株価は停滞を続け、ここ1年は1000円周辺を彷徨っている。

2017年4月11日には、2017年3月期の業績予想の下方修正も行った。この下方修正は4回目だ。

1月26日に新しく社長となった山下良則氏は、今後の成長戦略を見いだせるだろうか。

過去のマネジメントとの決別

4月12日に発表した今後3年間の中期経営計画では、「過去のマネジメントとの決別」が強調された。

リーマンショック以前は、リコーは持前の営業力を武器に事務機器でシェアを伸ばしてきた。事務機器でシェアを伸ばし、その後はトナーなどの消耗品で利益を得るというビジネスモデルで業績も伸びた。

しかし、最近は時代が大きく変化した。現在は、ペーパーレス化の波が大きく、企業のコスト削減意識も高い。事務機器のシェアを伸ばそうとするあまり、過度な値下げを行うということもあった。

これまでと同じビジネスモデルを掲げていたのでは、ジリ貧になるのは目に見えているだろう。

中期経営計画では、1000億円のコスト削減を掲げている。

そのため、2017年度中に本社を現在借りている銀座本社から自社ビルに移すという。

また、製品の自前主義を見直し、2拠点での生産を終了するという。そして、OEMによる製品製造を進めるという。

コスト削減というのは、革新的なアイデアが無くても、無駄を見直すことにより直ちに取り組める。収益を上げるためには効果的だ。

しかし、コスト削減という守りの戦略のみでは新たな成長は見込めない。

停滞している事務機器事業のコストを減らし、その分新規事業へ投資する、というのがリコーの狙いのようだ。

事務機器と消耗品だけでなく、自社製品を使ったサービスでも稼ぐことを狙うという。また、事務用だけでなく食品パッケージや布などの商用・産業印刷機への進出も推進するという。

しかし、こういった戦略はキャノンや富士ゼロックスといった競合他社も目をつけている。他社とは違った観点が持てなければ、なかなか一歩先へ出ることはできないだろう。

窮地に陥ったリコーがどのような成長戦略を描くのか注目である。

 

参考資料:
・遠山 綾乃、『リコーは、今なぜ異例の社長交代を行うのか』、東洋経済ONLINE、2017年1月28日、http://toyokeizai.net/articles/-/155770
・遠山 綾乃、『コピー機が売れない!名門「リコー」の袋小路』、東洋経済ONLINE、2017年4月24日、http://toyokeizai.net/articles/-/168815